射手座

大空に浮かぶ射手座を眺めてみましょう。射手座は起源が古く、最古の都市文明、シュメール文明まで遡るとされています。形は半人半馬の人物が、矢を引いた姿とされています。この矢は蠍座の一等星、アンタレスを狙っているという逸話があります。オリオンを刺殺した蠍が、天上で暴れないように威嚇している、という説が有名です。
射手座を絵で表すとき、上半身は人間、下半身が馬という半人半馬の姿で描かれます。ギリシャ神話ではこの馬人をケンタウロス族と呼んでいます。ケンタウロス族は野蛮で好色といった面も持ちますが、中には善良なものもいます。射手座の神話の主役、ケンタウロス族の長、ケイローンはまさにそうでした。ケイローンは音楽の神アポローンと月の神アルテミスから音楽・医術・予言・狩りなどを授けられた知恵者です。ぺーリオン山の洞穴の中に住んで、ギリシャの若者たちを、教育していたと言われます。ケイローンはヘラクレスと戦った時に、ヒドラ(水蛇)の毒を塗った矢で、刺されました。ケイローンは不死身であったために苦しみ、最後は永遠の命を神に返し、黄泉の世界へ旅立ちます。大神ゼウスがそれを惜しんで天にあげ、射手座になったのだと、伝えられています。

好奇心旺盛で、興味のある方向へと挑戦を繰り返していく。

射手座の人は知的好奇心が旺盛です。また自分で知識を詰め込むだけでなく、その知識を人に分け与えるのを得意としています。ケイローンのように、優れた教師としての素養を備えた人が多いのが射手座の特徴と言えるでしょう。また、射手座のシンボルは弓矢の形をしています。この放たれた矢のように、好奇心が四方八方に飛んでいきます。ひとつの知識を得たら、好奇心は別の方向に向かっていくのです。ひとつのことを掘り下げ、探究していく蠍座と違い、射手座の人が持つ好奇心はどこまでも広がっていくもの。好奇心に従い、興味のある方向へと挑戦を繰り返していくのです。


支配星が木星の射手座は、楽天的な性質を持つことが多い。

大胆な判断力とチャレンジ精神を持つ射手座の人が多いのは、彼らが根本的に未来に対して恐怖よりも、希望を抱くことができる楽天的な性質を持っている人が多いことを表しています。目の前に広がる道が明るい方向へ向かっていると信じられるからこそ、周囲の人が怯むような挑戦も、ためらわずに決断することができるのでしょう。 射手座の支配性は木星です。木星は占星術では「幸福の星」として説明されることが多く、発展、成功、寛大、知恵を表すといわれています。しかし同時に、過度の楽観主義、虚栄心といったものも暗示しているのです。 射手座の人は経済観念が甘く、実入りがあっても出ていくものも多いと言われます。またこの楽観主義から自分を守ろうとする慎重さが欠け、波乱万丈の人生へ飛び込んでいくことになるのでしょう。実際に、射手座の人は、平平凡凡とした人生を避けて通ろうとする性質があります。


射手座は火のエレメント。直感と行動力を持ちあわせ、自由を求める傾向。

占星術では12星座は火、地、風、水の4つのエレメントに区別されます。射手座はその中の火のグループに当たります。火のグループの特性は「直感」。理想が高く、これを試したい、と感じたらすぐに動ける行動力を持っています。得に射手座の人は心身ともに自由を求める傾向が強いので、もし失敗したら、というような心の枷になるようなマイナス感情に囚われることを、無意識のうちに排除しようとします。だからこそ、周囲の人が驚く様な大胆な挑戦に挑むことできるのでしょう。


自分とは違う文化や考え方を受け入れる、心の柔軟性を持つ。

また12星座は活動宮、不動宮、柔軟宮の三つに分けられます。射手座はこの中で柔軟宮に当たります。柔軟という言葉の通り、どんな運命が降りかかってきても、一つの考えにこだわることなく、その場に応じて対応できる資質があります。ピンチに強い星座と言えるのかもしれません。
射手座の人が知識や経験をどんどん吸収していくことができるのは、好奇心と、自分とは違う文化や考え方を、柔軟に受け入れることができる心を持っているからなのでしょう。
またこの好奇心が知性を磨くだけでなく、対人にも発揮されます。言葉は悪いのですが、射手座の人は気が多い、という話を聞いたことはないでしょうか?常に新しい刺激を求める射手座の人は、いつも同じ相手との交流ではマンネリ化を感じてしまうため、次々と出会いを広げていきます。だからといって、新しい友人ができたから以前までのつきあいとは疎遠に、という無情な性質ではないのです。恋を語る相手がいても、しばらくたつとまた違う魅力を持った相手に好奇心を抱いてしまう。ただしそれはあくまで興味であって、心変わりではないようです。中には恋多き人もいるかもしれませんが、ほとんどの射手座は愛情をしっかりと維持することができるでしょう。 ただし、彼らの愛は「自由」です。
どんなに愛した人がいても、彼らの時間は愛のためだけには使われません。趣味、個人的な付き合い、勉強など、恋愛以外のものにも情熱を注ぎます。愛情がなくなったわけではなく、他にも大切なものが増えただけなのです。


射手座の最重要のテーマは「自由」。

占星術では天体を12の宮に振り分けこれを黄道12宮(または獣帯)といいます。太陽はこの12の宮を一年かけて移動していくことになります。人馬宮に入っているときに生まれた人を占星術では射手座になります。黄道12宮は金羊宮(牡羊座)からスタートするので、人馬宮(射手座)は9番目になります。
8番目の蠍座は他者との融合がテーマでしたが、射手座になるとまるで繋がった糸を炎で焼き尽くすかのように、他者との繋がりによるしがらみから自由になろうとします。もしかすると天空の射手座は、自分が縛られないように、情と言う縄を仕掛けようとしている蠍を威嚇しているのかもしれません。自由である射手座の人は、自分の信念を曲げてまで、他者に受け入れられようとは望みません。理解を得られないのなら意見を闘わせ、また対抗意識を燃やすことによって自分を高めていこうとするのです。
殻を破って外への飛び出そうとするエネルギー、射手座の最重要のテーマ「自由」はここからも見ることができます。
ただし、言葉の矢を見切り発射する短所もあります。本人は楽天家なので、コミュニケーションの失敗も謝罪したら忘れてしまいますが、しつこく覚えている人もいますので、慎重さも忘れないようにしましょう。

スポーツへの関心が高いのも射手座の特徴。

射手座は教師の特質があると以前書きましたが、その対抗心、前向きなパワーはスポーツ選手としても発揮することができるでしょう。あなたの周囲にも、スポーツ好きの射手座の人がいると思います。それも流行のスポーツやダイエットエクササイズの情報をいち早くキャッチし、すぐに試そうとする好奇心旺盛なタイプではないでしょうか?
世界を広げ、学び、成長していくのが射手座の人の特質です。若い頃は元気さだけが取り柄で、人が止めるのも聞かずなんにでも挑戦したがったり、他者への配慮が足りなかい人もいるかもしれません。しかし、上手に年を取ることができれば、誰に対しても寛大で、自分の得た知恵を人に分け与え得ることができる、懐の大きな人物になれるでしょう。


節制
最後にタロットを読み解きながら射手座を研究してみましょう。射手座と紐づけられたタロットカードは「節制」です。「節制」は浄化、節度、欲を捨てるなどの意味があります。ステラタロットでは羽を持った天使が水の上に立ち、壺から壺へと水を移し替えています。このカードが示すのは「浄化」「生まれ変わり」。夢に向かって努力しているうちに、徐々に欲や嫉妬心、執着のようなマイナスの感情が生まれてきます。その汚れを浄化することで生まれ変わり、また新たな道を歩き出しましょう、とタロットは告げているのです。

射手座の人は好奇心旺盛で研究熱心、身に付けた知恵や財産を活かすことが射手座の性質が最もよい状態で現れたとき。欲を捨て、ただ純粋に探究心を発揮し、控え目に生きることで射手座の人はもっと輝くことができ、そして人生の成功を掴めることを「節制」は暗示しているのです。

射手座はチャレンジャー精神が強く、アグレッシブな印象が強いため、この精神性の強いカードを見て、合わないのでは、と思った方もいるかもしれません。
神話の話で説明しましたが、射手座は半人半馬のケンタウロスのケイロンがモデルとなっています。ケイロンは知力に富み、また強靭な強さを持っています。我々が射手座の人をイメージするとき、世界の枠すらも飛び越えようとするような行動力をイメージしますが、その行動の原動力となっているのは知的好奇心。射手座の人は刺激だけでなく、叡智を探求する性質を持っています。知性と体力、両方を兼ね揃えているのが射手座の人の魅力なのです。彼らが四方に向けられる好奇心は、自分へも向かいます。自分の使命はなになのだろう、なぜ自分は生まれてきたのか、と自己探求を繰り返し、やがてそれは自分の生まれた国の行く末や、地球上における人類としての役目、など、興味はどんどんと拡大し、哲学的になっていきます。射手座の人に人生観を問いかけてみてください。おそらく、自分なりに考えた答えを、熱く語ってくれることでしょう。
射手座の人は旅好きな人が多いのですが、彼らが旅に求めるものは刺激と気づきです。新しい文化や価値観を知ることで、自分の人間としての幅を広げていこうとするのでしょう。彼らは素直な心を持っているため、新しい情報を進んで受け入れます。「学ぶ」ということは射手座の人にとって大切なテーマなのです。飽くことなき好奇心とチャレンジ精神。それこそが、射手座の人のパワーの源なのかもしれません。
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